
クリニック施工のポイントとは?医療機器導入前のポイントも解説|東京スペース
クリニック施工の基本は、「患者さんのための空間」であるため、清潔感や安心感などを感じていただけることが重要です。
例えば、衛生面においては防汚性、耐久性、耐薬品性を考慮した建築資材の選定、
安全面では段差、勾配角、快適性を求めた照明の種類、眩しさ、音漏れの軽減に配慮します。
誰のためにどのような医療を提供するための空間なのかを常に意識して、設計・施工工程を進めています。
これから、クリニック施工のポイントについて解説します。
目次
クリニック設計・施工の発注方法
まずは設計・施工の発注方法のポイントについて、以下で解説します。
設計・施工の発注方法には以下の2種類があります。
①分離型
デザイン、設計を設計事務所やデザイン事務所に依頼し、施工は施工会社や建設会社に依頼
②ワンストップ型
デザイン・設計・施工ともに同一の設計・施工会社依頼
どちらが良い、ということはありませんがどちらの場合でもお互いに進めやすく、信頼できる企業であることが最も重要です。
また、アフターメンテナンス等も依頼できるか否かも検討要素のひとつとなります。
①分離型
デザイン・設計を設計事務所やデザイン事務所に依頼し、施工は施工会社や建設会社に依頼する場合
・メリット
デザインを重視する場合は分離型がおすすめです。思い描くイメージを設計者とじっくりと話し合い、より理想に近づけることができます。
・デメリット
デザイン、設計に時間がかかり施工に影響が及んだり、設計者と施工会社との調整や連携に時間を要したりと時間と費用がかさむ傾向があります。テナント家賃が発生している場合は、工程の遅れによりその分の家賃等費用が掛かってしまうことがあります。
設計監理料(設計事務所が作成した図面を、現場で適切に工事が行われているかを監理する業務)を設計事務所に支払う必要があり、契約先が2つになり費用面、手間に時間を取られることもあります。
②ワンストップ型
デザイン・設計・施工ともに同一の設計・施工会社に依頼する場合
・メリット
デザイン、設計、施工までを一社内での調整が可能となるため、連携が取りやすく工期の短縮や設計や施工の見落としなどが軽減できる。
・デメリット
デザインに弱い傾向があります。自社独自の工法がある企業は、デザインや設計に限りがあり柔軟性に欠けることがあります。
どちらが良いということはありませんが、どちらの場合でもお互いに進めやすく、信頼できる企業であることが最も重要です。また、アフターメンテナンスの対応も検討要素としてしっかりと確認をしておく必要があります。
クリニックの設計前に押さえておくべきポイント
医療施設においては、医療機器の導入は必須条件となりますが、医療機器導入に際しては内装工事段階で注意すべき点があります。
また、機器導入以外にも、その空間を快適に感じることが出来る設計をするにあたり、動線や患者様にとっての使いやすさを優先した医院設計が重要です。
患者様が訪れたくなる設計・施工をするためにはどんなポイントを抑えるべきか、解説します。
衛生管理の必要性
クリニックに来院する方は健康に不安を抱えています。少しでも緊張感を払拭するための空間づくり、清潔感や安心感を与えらえる内装が求められます。
外観や内装がおしゃれで優美でも、衛生管理に問題があったり、掃除がしにくくなっているような内装になっていると、クリニックのイメージダウンにもつながり、患者様に不信感を与えてしまうことになります。
管理のしやすさ、無駄を減らす設計、衛生面を強化した内装材の選定を行う必要があります。
プライバシー管理の重要性
コロナウイルスの影響もあり、医師と患者様、患者様同士の接近、接触を気にされる方がいらっしゃいます。
待合室、診察室の椅子の配置やレイアウトにも配慮が必要になります。
患者様が抱える症状はどんなものであっても当人にとってはデリケートな問題です。
防音対策、視界の制限などそれぞれの患者様に寄り添い、プライベートに配慮した空間設計がクリニックの付加価値となります。
お子様、車いすへの対応
お子様連れや介助が必要な方の来院には、キッズスペース完備やバリアフリーの観点からベビーカーでも車いすでも入室できる広めの診察室を設置することも『選ばれるクリニック』になるためには大切なポイントとなります。
キッズスペースは、親の目が離れていても安全に過ごせるよう、防滑性、弾力性に富んだ床材の仕様や家具の選定を。お体が不自由な方のためにスロープの勾配設定や手すりの取付け、ユニバーサルデザインに特化した入口やトイレの扉の選定などファミリー層、要支援者を抱える家族の気持ちも考えた設計、施工が求められます。
医療機器の電気設備容量
歯科、整形外科、透析内科などの診療科目をもつクリニックは予想以上の電気設備の配置が必要になります。
CT、MRI、X線装置、マイクロスコープ、レーザー治療器、滅菌器など大容量の電気設備が必須になり、三相200V、単相200V、単相100V、200Vなど種類もさまざまです。
オフィス仕様のテナントビルの既設電気容量では賄いきれずブレーカーや分電盤の新設、増設などを行うケースもあります。
またビルによっては電気の増設ができないこともあり、設備要件については物件を契約する前から確認をしておく必要があります。
医療機器の進化は速いため、機器の買い替えを見据えて事前に容量を検討することも必要かもしれません。
当社では、ご契約前に現地調査にご同行し、電気容量や換気、水道等の設備を一緒に確認をさせていただくことをおすすめしています。
物件選びのポイントなどはこちらをお読みください。
効率的な患者・スタッフ動線設計
内装設計段階でしっかりと検討しなくてはならない項目のひとつに患者・スタッフ動線があります。
限られた空間の中で無駄なく、患者様とスタッフの動線を分けることで、スタッフは効率的に業務を進めることができ、患者様は落ち着いて院内の時間を過ごすことができます。
動線の基本は待合室を基準に、診察室、処置室、受付、トイレ、キッズスペースを配置し、院長室、スタッフルームを残りの空間で調整をしていくことが多く、診療科目や医師の人数によっては中待合のスペースなども想定します。
歯科など予約システムを利用し診察を行う場合は、会計時間の短縮、プライバシーへの配慮などの観点から診察室で会計を済ませることもあり、結果的に待合室のスペースを極力小さく設計することも可能になります。
有効的な動線計画はこちらの記事をお読みください。
以上を心がけ、物件選びやレイアウトをご検討いただくことがポイントです。
まとめ
この記事では、クリニックの設計・施工における注意点や準備について解説しました。
先述でもあるように、まずは信頼できる発注先(会社)を選ぶことが何よりも大切です。
設計から施工まで、ワンストップでスタートしたい場合には、東京スペースのご利用をおすすめします。
1976年創業の店舗設計・施工に特化した企業として蓄積したノウハウを基に、柔軟な対応を行い、何よりもお客様の声を大事にクリニック開業までをお手伝いいたします。
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