クリニック開業におけるブランドコンセプトの作り方
クリニック開業のご相談をいただく際、ブランドコンセプトが定まらない経営者の方もいらっしゃいます。 漠然とした目標や方向性は決まっているのですが、いざ文字にするといい言葉が見つからないとおっしゃいます。 そこでブランドコンセプトを定めることでどのような影響があるかを考え、 その作り方を解説します。
なぜブランドコンセプトが必要か
自院のアピール
情報化社会の中で患者様はインターネットなどの情報収集ツールや口コミサイト、 家族知人からの評判などを聞き病院を選ぶ傾向にあります。 あなたの病院は他と何が違うの? その問いに答えられることが他医院との差別化を図り、『選ばれる医院』になります。 患者様が求めているものは何かを理解し、 自院がどんな医療を提供しているかをアピールすることが求められます。
スタッフとの共有
コンセプトの明確化はスタッフの雇用にも大きく影響します。理想の医院を作るためには、その実現に向けて同じ理念を共有し、共に進むスタッフとのチームワークが必要になります。どんなに先生が丁寧に患者様と接しても、受付や看護師さんの対応で 医院の印象が大きく変わってしまうことはよくあります。 コンセプトを明確にすることで、スタッフと意思が共有でき、 同じ目標に向かって士気を高めることができます。
揺るがぬ経営判断
経営で判断に困った時、コンセプトを明確にしておくことで、基本に立ち戻ることができ何をすべきか、選ぶべきかが自然と理解できることもあります。医院の安定化を図るうえでもコンセプトを軸にした経営が必要になります
ブランドコンセプトの考え方
自己分析
患者様に選ばれるためには、自院の特徴をわかりやすく表現することが必要になります。 自分の得意、不得意なことを思いつくまま書き出すことで、特徴が可視化でき、 自分の強み弱みが具体的になります。 ブランドストーリーも重要です。なぜ医者をやっているのか、どんな医者になりたいか、なぜこの街を選んだかを ストーリーとして言語化にすることで、事業に対する情熱を表現することができます。
ターゲット設定
誰をターゲットにするのかを明確にし、年齢、性別、地域、家族構成、年収、価値観、悩み、願望などを考え、その方に向けて何ができるのかをわかりやすく言語化します。
選ばれる理由の明確化
選ばれる医院になるためには、客観視し自院を見ることが大切です。強み、特長、独自性、こだわり、実績などを具体的に患者様の目線で考え、言語化していきます。
例えば歯科ならば
- 完全個室での診察、カウンセリングを行います
- 治療方針を画像を確認しながらわかりやすく説明します
- マイクロスコープやCTなど最新の器材にて治療を行います
- できるだけ削らない治療、痛みを抑える治療を行います
- 予防歯科、小児歯科専門医が常勤し、お子様もリラックスして通っていただけます
これらから、患者様が望む結果としての、
『20年先も信頼し通っていただける歯科医院として、患者様ご家族様の歯と健康を守ります』
というブランドコンセプトが生まれます
『この先生に相談してみたい』『あの医院なら信用できる』と確信してもらえるような 価値を表現していきます。
コンセプトから内装をデザインする
私たちは、医院の内装デザインの基本は『安心安全な空間』だと考えます。 患者様は悩みや不調を訴えて来院されます。 そこに過度な装飾品やデザインは必要ないと考えています。訪れる患者様の緊張を取り除き、リラックスをして治療に臨めることを前提とし 先生の思い描く理想の医院をカタチにし、患者様が安心して通っていただけるような空間づくりを目指します。