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株式会社東京スペース

調剤薬局開業のポイント

調剤薬局開業のポイント

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門前から地域へ

 

調剤薬局の立地条件は、いかに病院に近く場所に開業できるかという点が重要視されてきました。病院の門前には何件もの調剤薬局が軒を連ね、流れ作業のように薬を処方していました。

2015年に厚生労働省は大きく舵を切り『患者のための薬局ビジョン』において、2025年までにすべての薬局を『かかりつけ薬局』として機能させることを明記し、薬局は処方箋をさばくだけでなく、地域住民の健康を担う拠点として、かかりつけ薬剤師による健康相談や医療機関等との連携、ICTを活用した服薬・残薬管理を行うことが求められるようになりました。 集客が見込める場所に店を構え、ニーズに合ったサービスを提供する。薬局は生き残りを懸け独自のサービスを打ち出し経営を行っています。

 

内装へのこだわり

内装へのこだわり.jpg

 

差別化を図る

調剤薬局の設計のご依頼をいただく際に、オーナー様から内装をおしゃれにしたいとご要望をいただくことが多くなりました。なるべく費用をかけないため壁面は白の壁紙、ポイントに青や緑を使用し清潔感を演出する従来の内装から、木材をふんだんに取り入れたナチュラルなもの、温かみのあるカフェの雰囲気など他局との差別化を図るための『選ばれるための内装』へと変化をしています。

 

安心できる待合い

薬局が選ばれる第一の条件として、待たせないことも重要とされます。しかし調製、調剤薬鑑査には時間がかかります。少しでもその待ち時間を苦痛と感じさせないための工夫が必要になります。座り心地のいい椅子やソファーだけでなく、キッズスペースや血圧測定器や給水給茶器、スマートフォン充電スペースなども喜ばれるアイテムです。そのための電源の確保も設計の段階でご提案をさせていただきます。 感染症対策の観点から待合室に感染症ルームを設ける薬局も多くみられます。流行性疾患の患者様も健康な方も気兼ねなく訪れることができる薬局であることが望まれています。

 

薬局の内装制限

薬局は国で定められている内装制限に基づいた内装にする必要があり、調剤室の広さ、設備などにも規定があり、その条件を満たさなければ開業できません。

下記は国で定められている薬局の構造設備の一部です。

 

  • 薬局全体の面積は19.8㎡(5.99坪)以上
  • 天井及び床は板張り、コンクリート、またはこれらに準ずるもの
  • 調剤室は、他の場所と間仕切りによって明確に区別され、有効に活用できる面積が、6.6 ㎡以上
  • 天井高さは、床面からおおむね2.1m以上
  • 調剤業務従事者以外が侵入できないような措置が取られている
  • 調剤室内を通路とする構造でないこと
  • 鍵のかかる貯蔵設備を有すること
  • 医薬品を交付する場所の照明は60lux(ルクス)以上、調剤台の上は120lux以上の明るさを有すること
  • 待合場所から調剤室内を自由に見ることができる縦 1.0m以上、横 1.3m以上、床面から0.9m以内の透視面を設置すること

 

上記の他に、自治体でも個別に内装制限が設けられていることがありますので、管轄する自治体の保健所で確認をします。弊社で設計をさせていただく場合は、あらかじめ確認し、その地域の規定に則ったご提案をさせていただいております。

 

調剤薬局の設計

東京スペースでは調剤薬局を設計する際は関連法規の調査を行い、薬剤師・スタッフの数、立地、外部からの視認性を考慮し、スタッフ・お客様動線、必要室面積を算出します。

調剤薬局の設計.jpg

 

・調剤室

調剤室の広さは法律では6.6㎡以上と定められていますが、基本的には必要な調剤のための機材や作業台の量、薬剤師の数で決まります。患者様が調剤室を見渡すことができるよう待合室からの一面をガラス等の透視面にしなくてはなりませんので、おのずとその面は棚等の什器の設置が見込めず、調剤室全体の設計にも影響を与えます。 調剤室が他の場所への通路にならない構造としなくてはならず、調剤室より奥へ直接出入りする扉のない空間を設けることはできません。 これらを考慮し、無駄を極力なくした空間づくりをご提案します

 

・受付、待合室

受付は出入口付近にあるのが望ましいですが、スタッフ動線も考慮すると待合いを経由した先に位置することが多くなります。なるべくお客様動線が一方通行となるようなレイアウトとし、お客様同士が重ならないような工夫、通路幅の確保を心掛けます。 感染症対策のための感染症ルーム、婦人科等お薬の受け取りに配慮した女性向け待合スペース、安全を考慮したキッズスペース等、お客様のニーズに合わせた待合室を設けることが快適、その先の集客へつながります。

 

・事務所、更衣室

事務所、更衣室、便所は薬局の面積に含まないとする自治体が多く、その面積を除き必要面積を確保します。複数階に分置して設置する場合は、一方の床面積が通路、階段、エレベーター等の面積を除いて16.5㎡以上でなくてはなりません。 多くの自治体で事務室、更衣室の設置が義務づけられています。働きやすさの観点からも設置が望まれます。

 

伝統漢方 薬局火の鳥八王子店様の施工

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JR八王子駅、閑静なマンションの1階にある漢方調剤薬局。伝統漢方薬局火の鳥拝島店の施工に引き続きご依頼を賜りました。

重厚感あるマンションの一階に開局し、オーナー様からマンションに馴染む外観とご要望があり、エントランスをガラス張りとし、什器は濃い木目で揃えました。単調になりがちな壁は、各室に素材感の違うデザインの壁紙を配し、動きのある空間になるよう設計しています。夕暮れの時間帯には間接照明で照らされた百味棚が美しく映えています。

マンションの構造上大きな柱が2本出てしまいますが、間接照明を設置したディスプレイ棚として利用し、圧迫感を解消した演出を行いました。 カウンセリングを行うための相談室を2カ所に設けています。柱を目隠しとして活用しプライバシーにも配慮した無駄の少ないレイアウトを行いました。

 

 

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